あるびん・いむのピリ日記

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日韓トランスジェンダー俳優事情

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ソナちゃんが出ているので、「爆笑問題のバク天!」は、しょーもない番組だなぁ・・・と思いつつ割と見ているのだが、最近、激面白キャラが登場しだした。それは「太田光の一度やっちまいな!」のコーナーに登場する、ハードゲイこと、レイザーラモン住谷である。ただ、誤解の無いようにあらかじめ断っておくが、私は全くソノ気のない、ふつうの男子である、フゥ~!



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彼はもともと(っていうか、今でも)吉本興業の普通の芸人なんだそうである。1997年、出渕誠と「レイザーラモン」を結成。同年、「今宮子供えびすマンザイ新人コンクール」で福笑い大賞を受賞。2000年、「ABCお笑い新人グランプリ」で審査員特別賞を受賞。2001年、吉本新喜劇入団。小藪千豊(元ビリジアン)とのユニット「ビッグポルノ」としても活動中・・・といった、なかなかの輝かしい(?)お笑い経歴も持つ。しかし、私は彼の通常の漫才を知らないから、あのボーンデージ風ヘヴィ・メタルなレザー服で現れたときは、本当に度肝を抜かれ、かつ衝撃であった。「ついにここまできたか・・・」というのが正直な感想である。それは、本来は闇の世界に隠しておかなくてはならない、隠微なモノがついに白日の下、お茶の間に堂々と登場したか・・・という、しみじみとしたオドロキであった。
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それまでも、おかま、ホモ、ゲイ、オネエ・・・まあなんでもよいが(^^;そういった素性を隠すこともなく、ていうか、むしろウリにして活躍する役者、芸人達はたくさんいた。いや、今もたくさんいる。それらの方々の多くは、私見であるが、ちよっと鑑賞に堪える容貌とは思えないので、ここでは代表としてその道の老舗の一人である池端慎之介こと、ピーターに登場してもらった。この画像は美しい・・・あ、いや、その(^^;;

そのほか、古く?は三輪明宏・カルーセル麻紀から、最近ではカバちゃん、華道家元の假屋原氏に至るまで、枚挙に暇がない。TVにソノ手の人たちが登場しない日は全くない、といっていいほどだ。そして彼らは堂々としている。自らがトランスジェンダーであることを隠す気配は全くない。そのことになんら、道徳的な問題を感じている気配すらない。いや、なにも私は同性愛が悪いとか良いとか言っているのではない。性同一性障害の方々にとってはまさしく笑い事ではない、深刻な問題であろうし、全世界の同性愛を真剣に考えている方々にとっても、とても大切な問題であることは分かるし、理解しているつもりでもある。しかし、この世の中にはローマン・カトリックやイスラームなど、宗教教義上、そのような性愛形態を全く許容しない世界も存在するのだ。お隣の国、韓国もその一つの例であろう。強烈な儒教道徳精神を今でも保ちつつある韓国では、とにかく生殖にかかわらない性愛は絶対認められないのである。孔子が「論語」でそんなことを語っている記憶はないから、これは朱子学を中心とする、李氏朝鮮の王朝で醸成された倫理であると思われる。だから当然のように、トランスジェンダーを標榜する俳優などは皆無であった。しかし!ここに革命的な風雲児が一人現れた。ハリスである。
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いやー、まっこともって、もと男性とは到底思えないプロポーション、完璧な美しさである。これは台湾の下着メーカーと契約したときの写真であるが、最近では中台共同ドラマ「刀、愛そして涙」にも出演し、ダイエットビデオも発売する・・・という意気軒昂ぶりである。また、『イエロー・ヘア』でもニューハーフとしてちょっと出演したことはあったが、今度は本格的にMBCのドラマ、「震える胸」にニューハーフとして登場している。やはり、いくら儒教倫理といっても、宗教的タブーほど禁忌による呪縛は強くないのかな、でもって、いよいよ、韓国でもトランスジェンダー解禁、ブレイクか・・・?と思わせる活躍ぶりである。このドラマのためのスチルであるが、確かにため息が出るほど美しい・・・(あー、だからして、その・・・^^;;)
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けれど・・・残念ながら?彼女??の活躍をもってしても、やはり急速には、韓国の現状を変えることはちょっと出来ないであろう。日本とは文化の土壌が違うからだ。日本には、本当に古代から営々と続いている、男色を容認する文化がある。古くは平安の昔から、寺院の稚児として僧侶に女性の代用とされ、また芸能人としては、足利義満に愛された世阿弥などが有名である。江戸時代には武士の嗜みの一環「衆道」として認められていた。つまり、男が男を愛することは立派なことで、恥ずかしくともなんともなかったのである。近代において、その代表として挙げられるのは、自刃し、愛人であった森☆某の手によって介錯された、三島由紀夫であろう。

歌舞伎の女形の伝統もこれに輪をかけているであろう。坂東玉三郎が素晴らしくて、なんでピーターがいけないのか。いけない訳もない。かれもまた、日舞の宗家、という点では日本文化の担い手なのであるから。そして長く神事と結びついてきた芸能においては、女性を不浄である、といわれなく差別し、散楽、雅楽から能狂言、お神楽に至るまで、白拍子などの遊女芸能を除いて、女性は全て男性が演じてきた。その伝統を破った女性芸能者がご存知出雲の阿国であるのだが、江戸幕府によってたちまち「風紀を乱す」とのことで、野郎歌舞伎、若衆歌舞伎として、女性は演劇の表舞台から疎外されていく・・・。こうして日本では、世界に冠たる「オカマ」、いや「オヤマ」文化が出来上がったのである。

私が親しくしている韓国人一家が日本に一年、仕事でいたときに、何に一番驚いたか・・・ということの一つに「真昼間から(夜なら良いのかということではなく^^;)、ゲイ人が堂々とTVに悪びれることなく登場している。これでいいのか!」ということであった。そんなんでいいもなにも・・・さして違和感なども感じず、ただ彼らの話ゲイ!を楽しんでいたワタシとしては、まさに晴天の霹靂であった。そういわれれば、「セクションTV」にも「夜心満々」にも、そんなようなタレントはお笑いにしても出てきたことはないなぁ・・・と思ったのだ。ヒジョーに困ったのだが、つたない韓国語と英語で上記のようなジャパニーズトラディショナルカルチャーであることは説明した。

しかし、さすがの日本でも、この「さぶ」というか「薔薇族」というか、「兄貴~!」の世界が堂々と、白日の下お茶の間に進出することは許していなかったのである。ていうか、誰も見たくなかった鴨(爆)。アングラ演劇の世界では「平成モンド・ブラザース」とか、怪しげなのはいっぱいいたが、堂々とテレビにまでは出てこなかった。そういう意味でも、レイザーラモン住谷氏は、革命児なのである。しかし、その風貌といい、腰の使いっぷりといい・・・。リッキー・マーティンの「Livin'La VidaLoca」に乗って軽やかに登場。本当に大丈夫か!放送コードには引っかからないのかっ!!と、見るたびにハラハラドキドキ、してしまうのであるが・・・今のところ大事に至ってないようである(笑)・・・でも、当分・・・っていうか絶対、韓国のTVではこういう類の芸人さんは見ること出来ないだろうなぁ・・・今後も。

付記。中国がマルクス主義国家になる以前の京劇では、女形は存在した。また、「アタック・ナンバーハーフ」に見るように、タイもまたオカマ文化を許容しているようである。これは仏教文化とも密接な関連があると思われるが・・・それは次回の考察に待ちたい(って続きがあるのかオイ^^;)

付記の付記。最近、チョ・スンウが演じて大変な話題となった演劇「ヘドウィク」は、いわずと知れた映画『ヘドウィク&アングリー1インチ』の舞台版である。この超大物若手演技派男優が、500万人動員ヒューマン映画『マラソン』の次に、このトランスジェンダー演劇を、わざわざ選んだ意味は大きい。やはり、伝統的儒教価値観も、揺らいでいくのだろうか・・・
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by cookie_imu | 2005-05-03 15:30 | 韓国文化全般