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あるびん・いむのピリ日記

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みなさん、写真にある島をご存知ですか?もはや島とはいえないほどの小さな「岩礁」ですが・・・
島_c0018642_1103530.jpg

これは「沖ノ鳥島」という、日本最南端の島です。一応、東京都小笠原村に所属していましたが、1999より国が直接管理をしているそうです。緯度はハワイより南なんだそうですが、この島があるおかげで、日本は国土より広い40万㎡という排他的経済水域を維持できるんだそうです。

こんなオイシイ島なら、領土紛争が起こってもおかしくはない・・・と思われるでしょうが、大昔に発見したのがスペイン人だそうで、それ以後海図にも載っていなかったのを旧日本海軍が観測したため、小笠原に編入されたそうです。その時、国際的には何も問題いなかったらしい。そして敗戦後、アメリカに領有されていたのが小笠原返還と共に日本に戻った・・・という訳なんですね。実に幸運というかなんというか・・・。ただ、漁業権だけならまだしも、今後もし天然ガスとか鉱物資源とか見つかったら、ほかの国が黙って指をくわえてみているかどうか・・・孤島、というのはいろいろと大変ですよね・・・。



「あんな島、なくなっちゃえばいいんです」と、ぽつり、と彼女は言いました。

私は、その言葉を聞いて、文字通りいすから飛び上がらんばかりに驚きました。
まさか・・・、韓国人からそんな発言を聞くことが出来るなんて・・・考えてもいなかったからです。
その女性とは、ここでもご紹介している私が韓国語を個人的に教えていただいている方です。
極めてインテリで、教養も豊かな方ですが、いわゆるとても韓国人らしい、情の厚い、感情豊かな
方でもあります。その方とレッスンのあと、お昼をご一緒しながらよもやま話をしていた時でした、
思いもかけない発言を頂いたのは・・・。「あんな島」とは、もちろん、日韓の火種のあの島です。

「沈んじゃうのがムリなら、日韓で共同開発すればいい。奪い合えば足りないけれど、分け合えば余ります。どうして、お互いのプライドを捨てて、素直に話し合いのテーブルにつけないのかしら?」

もちろん、韓国が日本に併合されて以来の、国土に対する韓国国民の深い思いや意識・・・などは踏まえた上での発言ですから、それにはとてつもない重みがある、と思いました。また、全ての韓国人が、例の島について全く同じ考えをしている訳ではない事も知って、なんだかとても、未来に対する希望が湧いてきたのです。こういう人が、例え一人でも二人でもいるなら・・・冷静に、平和的に粘り強く、話し合える可能性はある、と。

おそるおそる、例の教科書問題のことも話題にしてみました。民族主義的傾向の教科書の内容は、日本以外の国から見れば問題が多いというのはよく分かるけれど、逆に日本はかなりリベラリズムの行き届いた内容の教科書でも認めている。でも、韓国は国定教科書一本だけ。これこそ、ひとつの考えの強要では?と。彼女は言下に「その通りです」と言いました。「そのことを無視して、日本や中国の歴史記述問題をあげつらうのは平衡を欠いています」とも。

私は、非常にバランス感覚に富んだ発言をする彼女に、深い尊敬の念を覚えましたので、率直にそのように申し上げたところ、少しはにかんで、「私も韓国にいた時には全く、当然のことだと思って何の疑いも持っていなかったのですが、外国に住んでみて初めて、国際的なものの見方というのを知りました。自分の国から外に出てみることも必要なんですね」と言われました。

外国を旅したから、そこに住んだからといって、誰もがみんな公平なグローバリストになれるわけではないし、一歩も外国に出なくても、立派なバランス感覚を持っている人もいます。特に韓国人は、移民は盛んなのに、移民先で日本人や中国人以上にコロニーを形成してしまう・・・ということでも話題になっています。ですから、問題はそういうことではなくて、いかに自分の目で物を見、判断する力を養うか・・・っていうことだと思うんです。語学を学んだり、映画やドラマを見たりする・・・っていうことには、そういう勉強も含まれるのだなぁ・・・と、つくづく思いました。

いま、紛争になっている島、または返還を要求している島が、ほかにも日本にはいくつもあります。もつともっと思慮深く、視野を広く持てるようになって、未来の子供たちに深く物を考え、冷静に話し合う大切さ・・・というものを教えていきたい・・・と思いました。
by cookie_imu | 2005-07-13 11:32 | 韓国文化全般