あるびん・いむのピリ日記

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お好み焼き「ジャンボ」

私はここに正直に告白し、懺悔をする。すなわち、「お好み焼き」なるものは日本を代表する粉食ではあるけれど、おやつ時に、またはせいぜい昼食として小腹を満たすもの、そして一食としておかずの位置を占めるには足りないもの、として些かの軽視をしていたということを。さらに「大阪お好み焼き」等というものは、「ぼ◎じゅう」なる店に代表されるごとく、物量だけは多いが、まったりこってり、どろりとくどくて、洗練とは程遠いお気楽なスナックである・・・という誤った認識を持っていたことを。そして私は、全身全霊を持って大阪の皆様(あるいはお好み焼き文化圏在住の皆様)にお詫びをしたい。
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大阪出身、現在は西宮に実家があり、立命館大学で青春を送った同僚Ⅰが、こよなく愛して止まなかった、大学から徒歩五分のところにあるお好み焼きの店「ジャンボ」に連れて行ってもらったのである。食べる前は「くのク★暑いのにお好み焼きかよ・・・」と思っていた。もう一人連れでいた女性同僚は、実に迷惑気な顔をしていた。事実、店の中は冷房を効かせてはいたが、お好み焼きを焼く熱気でムンムンとしていた。そして・・・人々の食べていたお好み焼きのでかいこと!ピザーラのLサイズは優にあるのである!
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同僚Ⅰはこともなげに「ミックスジャンボ」と「ジャンボやきそば」を注文し、さらにもう一人前を頼もうとしていた。私と女性同僚は、これを押しとどめるのに精一杯であった。しかし、それはあとで後悔する事になる・・・そして、小なべに山盛りの生地が運ばれてきた。玉子も三つも入っている!同僚Ⅰは、それを念入りにかき混ぜた。まるでひとり子を慈しむかのように・・・
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しかし、我々が関与できた作業はここまでであった。生地を広げることから始まって、それをならす事、そして焼き加減、ひっくり返すタイミング、さらに生地にソースを塗る、ソースの上からかつお節、青のり、マヨネーズなどをかける、焼きそばを焼く、キャベツと混ぜる、焼きそばソースと混ぜる・・・など等の作業はこれ全てお店のお兄ちゃんがやってくれるのである!「お好み焼きとは、自分(あるいは一緒に行った人)が焼き焼きして食べるもの・・・」という認識を持っていた私には、もうこの時点で軽いショックを受けていた。ところが、同僚Ⅰはこうこともなげに言うのであった・・・「お好み焼きはね・・・プライドの高い店になればなるほど、客には一切、焼かせないんですよ。味がおかしくなるからね」と。
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待つこと五分・・・。全くお好み焼きをひっくり返しにこない。私は少し心配になった。東京だったら、もうパリパリを通り越してバリバリに焦げまくってしまう時間だ。しかし同僚Ⅰは全く意に介さない。待つこと10分弱、やっとお好み焼きはひっくり返された。ところが!裏面は香ばしく焼きあがってはいたものの、全く焦げてなどはいなかった。「鉄板の温度と油の敷き具合、生地の配合に秘訣があるんです」とⅠはまた涼しい顔でいう。うーむ、小憎らしい奴め。これで美味しくなかったらどうしてくれよう・・・
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さらに五分ほど待つとまたお兄ちゃんが、お好み焼きソースのセット一式を持ってやってきた(刷毛だけでなく容器やらチューブやら、まさしく一式・・・という感じだった)「ソースは辛口、普通、甘口のどれにしはりますか。」同僚Ⅰ「うーむ・・・では普通を。」お兄ちゃんは重々しく一礼すると、まず、刷毛でソースをさっ、と掃いた。それで終わりかな?と思っていたところに、やおらチューブから大量のソースをドバドバと!「ね、ね、あれはオタフクソースでしょ!?あんなにかけたら味濃くて食べられなくなっちゃうよ」「オタフクは広島!これだからシロートは困る・・・そんなメーカー品じゃありませんよ。この店が開発した、秘伝のソースです。ちゃんとした店(なにがちゃんとした店か分からないけれど^^;)は、みんな、生地とソースで勝負しているんです」

そして仕上げに大量のかつお節と青のりをかけ・・・、「さあ、出来上がりです」と言って来た。すこしあとから作り始めた焼きそばも、ほぼ同時並行的に!ソースが絡められて出来上がっていた。。

そして・・・ああ!一口食べて、私はまさしく天地がひっくり返るほどの衝撃を受けた!たかがお好み焼きで大袈裟な・・・と思わないで欲しい。そのお好み焼きは表面はパリッと、そして中にいくにしたがってしっとりと、そしてあれだけ焼いていたのに、まんなかは程よくとろりとしていたのだ!まったり、ではない。あくまでとろーり、である。それは私に本当に出来の良いオムレツを想起させた。そして、その生地に配合された出汁の上品でジューシーな旨み!さらに、そこに覆いかぶさるようにとろけてくるソースの、少し辛味を伴ったはんなりとした甘さ!!自家製マヨネーズの爽やかな酸味!吟味された花かつおのフレッシュさ!!!どれをとっても非の打ち所のない、それは洗練を極めた「達人の味」であった。

私と女性同僚は、文字通りしばし言葉を失ってしまった。・・・完敗だ。関西の食文化が奥深いものであることは頭では分かっていたつもりでも、体が、胃袋がわかっていなかった。そして即座に、私と女性同僚は後悔した、なんで、もう一人前、頼んでおかなかったんだ!と(笑)

焼きそばも、麺は太すぎず、固すぎず、キャベツは瑞々しく、これまた秘伝のソースの絶妙な配合で、こちらも実に美味かった。「お好み焼きや焼きそばなんて、夕食のおかずにはならない」という全く誤った先入観を持っていた私の頭を、文字通り鉄板に打ちつけてお詫びしたいくらいであった。「僕は今までかなりお好み焼きを食べてきましたけれど、この店ほど大きくて美味しくて、そして安いところは滅多にありません。矢もたてもたまらなくなると、京都まで食べに来るんですよ・・・」そんな言葉も上の空、女性同僚と三人で、あっという間にそれらを平らげてしまったのであった。しかも全く、胃にもたれることもなく・・・嗚呼、素晴らしきかな、関西のお好み焼き!そして来年の組合大会は広島である(爆)。来年はまた、どれほど素晴らしいお好み焼きに出会えるか・・・夢は尽きない・・・(来年に続く)

追記。ちょいとヤフーで検索したら、出てくるは出てくるは・・・それも絶賛記事ばかり!京都を代表する、行列の絶えないお好み焼きの名店だったらしい。「つわりで何にも食べられない時、ここのお好み焼きだけはたべられた」なんて記事も・・・参考までに代表的紹介記事を。
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by cookie_imu | 2005-08-03 22:30 | 各国酒・ごはん