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あるびん・いむのピリ日記

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濃い人間関係、希薄な上下関係

東京は台風の影響か、天水桶(って古いな^^;)をひっくり返したような大雨になってきた。明日、無事学校や職場にいけるといいのだが・・・徒然に思うところをちよっと、そこはかとなく書き付けてみたい。
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土曜は休日出勤、しかも朝から7時くらいまで猛烈に仕事していたので、食事をしてちょっと飲みたい気分になっていた。そこで、いつもの飲み仲間(といっても一人だが)に打診すると、今日は奥方が実家に行っていないという。これ幸いと一杯やって帰ることにしたのだが、ふと思い立って隣の席の若い同僚を誘った。



若いの何の、今年入社したての24歳である。理数系の大学院の修士まで出ているのだが、なにか態度がおどおどしている。能力はあるのだが、容易に人と打ち解けられない。彼女もいない。家で何をしているかというと、パソコンしているという。半年掛かって、やっとここまで話が聞きだせるようになった。ホントに大変だった、半ば教育係みたいにして隣に座らされたんだから・・・

その子が(いや・・・社会人に子は失礼だな、いくらなんでも)、いつもは誘っても誘っても、頑なに「いえ、明日の準備があるので帰ります」と言っていたのに、珍しく「では、一緒に行かせて頂きます」という。みたところ、彼には珍しく(仕事熱心で、いつも凄い勢いで先の先までやってしまうのだ)ちよっと込み入った内容の書類を処理しあぐねていたらしい。ふぅーっ・・・と彼は溜息をつくと小声で「もう、今日はいいや。飲んで帰りましょう」と言ったなんだか、人間っぽい肉声を聞いたみたいで嬉しかった。

もう一人、たまに誘うと来るこれも理系の若手を誘うと、「今日はいいですよ」というお返事。珍しく若手二人に色よいお返事をいただけた、我々中年先輩組は、少々様興奮し、喜び勇んで近所の焼き鳥屋に繰り出したのだが・・・さて、とりあえずビールで乾杯した後は、ちょこっと職場の話しをしたら、もう話す事がない。共通の話題がないのだ。あせる中年組、黙り込む若手組・・・。といったところで、相方中年男性のん兵衛が、「今年の夏、スターウォーズエピソード3・シスの復讐を見に行ったんだけれど・・・」と、おずおずと切り出し始めた。何を話していいかわからず、話題の映画のことでも、と思ったらしい・・・

そうしたら、意外や、最若手24歳君の目がぱっと輝いて、「いやー、実は僕、スターウォーズシリーズのファンでして、3回見たんです!面白かったですねぇ!!」と話に飛びついてきた。準若手君もこのシリーズは大好きらしく、たちまちスターウォーズ・シリーズの話で場が盛り上がり始めた。どんなキャラが好きかとか、どのドロイドのメカが良いかとか・・・他愛もない話だが、それからガンダム、ウルトラマンシリーズの話に流れて延々と二時間半も話し込んでしまった。でも、仕事や上司の愚痴ではなかったので、実にスカッとした気分で気持ちよく帰れた。女の人から見たら、なんとガキっぽく幼稚な・・・と思われるかもしれないが・・・

それにしても・・・いつからこんなに、世代を超えて話をするのが困難になってしまったんだろう。私が若い頃は(って言ういい方イヤだけど。まだ若いつもり・笑)、先輩が「来い!」といえば黙ってついていって、飲まされて、説教されたり先輩の自慢話を延々と聞かされるのがオチだった。いまじゃ、そんなことしたら誰も若手は二度と飲みに行ってくれなくなる。ヘタに強引に誘うと、「パワーハラスメントだ」とか(男でも、ですよ!)言われかねないし。

小倉紀蔵センセイが「日本は、ポストモダンの行き着いた果ての個人主義の世界で、人間関係はもうバラバラ」とよく言われているが、誠に私もここ二、三年、それを痛感する。上下関係、なんてあって無きが如しである。家庭でも、「お友達親子」とかだったんだろうか、極めて人間関係にワガママというか、無頓着である。関係ないとなったら、見向きもしない。そんなことで職場の団結は図れるのだろうか・・・

韓国に行って仕事をしてきたが、相手先の人は私の朝食の心配までしてくれた。晩御飯は色々と食べさせられて難儀もしたが(苦笑)、決して一人にはしなかった。話し出すと、自分の家庭のことまで赤裸々にさらけ出して、とことん、付き合ってくれた。

そこまでの「濃い」人間関係がいいのか悪いのか・・・それは私にも分からない。しかし、そういった対人関係に、憧れと懐かしさをしきりに感じる、今日この頃なのである・・・
by cookie_imu | 2005-09-04 23:35 | そのほかいろいろ