あるびん・いむのピリ日記

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『雨森芳洲―元禄享保の国際人』

講談社学術文庫というと、お堅いイメージがありますが、それほど難しい本ではありません。江戸時代、元禄年間に滋賀県に生まれ、そして津島藩お抱えの儒者として、日朝修好に努力した雨森芳州を紹介するものです。
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雨森氏は、朝鮮語、中国語に堪能で、「互いに欺かず、争わず、真実をもって交わり候を誠信とは申し候」という言葉を信条とした、真の国際人でした。彼は、徳川将軍を「日本国王」と朝鮮側に呼ばせようとした幕府側の儒者、新井白石に真っ向から反論したのです。その反論はもちろん、天皇を国主として仰ぐ儒者の思想に則ったものでしたが、その真実の思いは、朝鮮国家に対する思いやりに溢れたものでした。彼は、その後も小藩対馬と幕府の間に入り、日朝修好のために尽力し、宝暦五年、88歳でその生涯を閉じました。

朝鮮王朝、ひいては韓国の文化を理解するには、どうしても儒教、それも王道たる朱子学の精神を理解しなくてはなりません。それはとても困難を伴いますが、江戸時代という鎖国時代に、真の国際人として活躍し、その思想を深めた雨森芳州の姿に、少しでも学びたいと思っています。
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by cookie_imu | 2005-09-15 22:29 | 小説・詩・文学あれこれ