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あるびん・いむのピリ日記

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言論の自由を抑制する国に未来はない

どうしてもひとこと言っておきたい。中国政府が「扱う話題が敏感」という理由で、『SAYURI』に引き続き、アン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』の上映禁止も決めたのだそうだ。これはいったい、どういうことか。
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カンヌで金獅子を獲得したとか国際的に認知されているとか、そういう卑俗な事を言っているのではなく、この映画に内在すると考えられる「普遍の愛」を鑑賞する機会を全く切り捨て、国家的に「単なる下品なゲイ映画」だと断じている姿勢に問題があるのだ。本当にそうなのか。それを決めるのは一握りの要人が動かす「政府」ではない。




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『SAYURI』のときもかなり腹が立ったが、お得意の論理である「第二次世界大戦中の日帝軍の醜行を想起させる」というのであれば、致し方ない・・・と矛を収めていたのだが、それだってスピルバーグのアメリカ作品、社会性を云々するのではなくビジュアル的な芸術性を問う作品であるにもかかわらず、まあ言いがかりにも近いやり方で上映を禁止する・・・という前近代的・全体主義的な古色蒼然たる手法に驚かされたものだった。

しかし・・・、今度の上映禁止措置には思想性のかけらもない。トランスジェンダーを正視させない、ということ自体が同性愛やマイノリティーに対する甚大なる差別であろう。等級を設け、未成年には禁ずる・・・というのはまだいい。そうではなく、全面的に禁止してしまう・・・という姿勢には、もはやファシズムの再来を認めざるを得ないではないか。かつての文化大革命の悪夢を思い浮かべるような事態であると思う。日本が過去、アジア諸国に迷惑をかけた・・・という事実は糊塗すべきではない。また、日本やアメリカ、その他「情報先進国」と呼ばれる国の実体も五十歩百歩だ、という事実も百も承知している。しかし・・・、このように恥も外聞もなく情報封鎖する「国家」と、その政府には未来はまったくない・・・と私は思う。
by cookie_imu | 2006-01-29 19:51 | そのほかいろいろ