韓国初の成人向け(エロではない)アニメ映画!と銘打って、異例の全国公開された野心作。
アニメとはいっても結構気合が入っていて、声優ではなく主演?のアチをリュ・スムボム、シパをイム・チャンジョンが担当していて、これがなかなか上手いんですね、本職顔負け。チンピラ風のアニメ声がよくハマッてました。アイドル・イップニ役はヒョン・ヨン。
一種の近未来物なんですが、まあ他愛もないものです。ウ○コしか燃料資源がなくなって、政府は排便を促進する“ハード”という中毒性幻覚物質(アイスキャンディーにソックリ!)を、排便のたびに国民に給付し始める。やがてこの“ハード”は富の元となり、密売が始まる。アジとシパは、しがない売人。しかし、この国には重症のハード中毒となって排便能力を失い(!)、棄民となった「ポジャギ(風呂敷)・ギャング」がいた。彼らは無敵の「ポジャギ・キング」を押し立てて、“ハード”奪回を図ろうとするが、政府のサイボーグ戦士に阻まれて・・・
まあ、ハチャメチャ・SFスラプスティック・コメディーなんですが、どうしてどうして、これがなかなか面白い。あらすじからお分かりのように、スカトロはいっているんですが、画像は全然不潔感がなく、ご覧のようになんかまるまっちくってかわいらしいんですね(^^)しかも意外なほどのスピード感もある。まあ筋書きはいろんな映画の寄せ集め、最後はインディ・ジョーンズかい・・・なんていうご愛嬌もありますが、女子高生みたいな女の子が政府の司令官だったりして、結構風刺も効いてます。なんていうか、日本のジブリ風アニメを見慣れた目には、かなり新鮮に映りました。なんかね、メカの造形や人物形象が、なんともコーリアン・ピビムパ(混ぜこぜ)風味なんですよ。そこがいい。なんだか日本ではこういった大人向けアニメが作られなくなって久しいような気がします(傑作『哀しみのベラドンナ』はどこいった・・・)そんな中、底力を見せつけ、気を吐いた韓国アニメ!今後が大いに期待されます。
ただし、『マリといた夏』みたいなホンワカファンタジーを想像してると、強烈なノック・アウトを食らいますからくれぐれもご注意の程・・・