スピードワゴンのネタではない。また、昨日今日と光州や麗水(ヨス)を旅行して、ウリウリさんともお会いできたという、楽しい時間のことを指しているのでもない(少しは関係しているが)。本来、韓国において甘いものではない食べ物が、なぜかやたらに甘くなっていることに対して、個人的にひどく不満であることが言いたいのだ。
今回の旅行の詳細は後ほど記すとして、なんだか話題が前後して申し訳ないのだが・・・、昨日、ウリウリさんと夕食をご一緒した時、ウリウリさんが通われている語学堂のある全南(チョンナム)大学の近くの、ちょっと雰囲気のよさそうな居酒屋さんに入ったとこのことだった。
学生街にあるような店構えではあるものの、席は少人数個室風で、しかも明るくそれほどうるさくはない・・・という、ゆっくり飲み食いをしながら話をするのに最適な店だった。事実、そこでのお話のひと時は、私にとっては大変得がたい貴重なものとなった。―にもかかわらず―、である。
最初に突き出しとして出されたサラダにかかっているドレッシングを見るなり“わっ、甘そうだなあ・・・”と思い、思わずそうつぶやいてしまったのである。するとウリウリさんも「そうみたいですねえ・・・」と相槌を打たれ、一口食べてみて「甘い!ヨーグルトにタルギ(イチゴ)を混ぜ込んだみたい!」と言われた。続いて恐る恐る食べてみた私の脳天を、まさにその通りの「鋭い甘さ」が突き抜けた。それからおつまみを頼んだのだが―、慎重に選んだのだがヘムルパジョン(海鮮チヂミ)はともかく焼き鳥のタレの甘さといったら・・・私には到底、許せるレベルではなかった。結局、残してしまい、ウリウリさんにご迷惑をかけてしまった。
嘆じた翌日の昼食。麗水の港に程近い、海辺の眺めのいい店でフェ(刺身)定食を食べた。お刺身自体は活きがよく、とても美味しかったが―、ワサビが粉ワサビだったのはともかく、刺身用チョコチュジャン(酢コチュジャン)が、なんだか異様に甘ったるいのである。ケチャップ?でも混ぜてあるのでは・・・?と思わせるような甘さで、たちまち食欲が減退してしまった。
そしてさらに・・・。チュソクの大渋滞の中、5時間もかけてやっとの思いでテグに帰ってきて、たいていのお店は閉まっていたので、仕方なく入った24時間キムパプ屋で食べたトンカストッパップ(カツライスみたいなもの)にかかっていたソース!これがまたオエッ!的に悪甘いのである。そして付け合せのキャベツにかかっていたドレッシング・・・
奇妙なほど毒々しい緑色をしたそれは、もはや試してみるまでもなく、その「激甘さ」がひと目で見て取れた。
そしてトドメは・・・いつものパリ・バゲットで買った、朝食用のソーセージロールである。クロワッサンロールなのは構わないが、表面がやけに「テカッって」いたのである。まるで蜂蜜でも塗ってあるかのように・・・。「まさか、そんなことはあるまい。ソーセージにチーズだぞ」と思いながらも、
心の中は疑惑の渦がぐるぐると巻いていた。そして・・・帰ってきて真っ先にしたのは、洗顔でも着替えでもなく、「パンの味見」であった。そして・・・ああ!画像でもお分かりのようにこの「テカり」の正体は、
紛れもなく糖蜜であった・・・
それにしても・・・韓国は激辛の国ではなかったのか?ああそれなのに、最近、食べるものが急速に「甘ちゃん」化しているように思えるのである。本来甘い料理が甘い、それは構わない(私は好まないが)。しかし、甘くてはいけないものまで甘く甘くしてしまおう・・・というのは、一体どのような理由によるものなのだろう。
帰りのバスの中・・・備え付けられたTVでは、北朝鮮の核実験開始宣言のニュースを繰り返し、流していた。現実があまりにも苦く辛いので、食べ物だけでも「甘く」しようとでも言うのであろうか。