あるびん・いむのピリ日記

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YAKITORIだって文化なんだ!

今回ブサンに行った事で、もう一つ楽しみにしていたのは、「ブサンナビ」という観光案内で見つけた福岡風焼鳥を出すという、『火の将軍』と言う名の純和風焼き鳥屋さん。
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韓国でも「ヤキトリ」は大流行であるが・・・それはなんというか、日本の焼き鳥より長い串に鶏肉をたくさん刺して火で焙り、なんとも甘辛いタレをたっぷりつけて供するという、東南アジアなどの「サティ」に近いもの。日式を謳う店でもそれが出てくることがほとんどで、だからして「鳥皮のシオ」と聞いただけで顔はハニワのごとくなって、だらしなくもヨダレを垂らしながら勇躍、そのお店に乗り込んだのだが・・・



見た目はまずまず合格である。日本風にカウンターの前のショーケースにずらりと並べられたネタも、レバも砂肝も新鮮そのものの顔をしている。期待に120%、胸をふくらませて串にかぶりついたのだが・・・
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むむっ!?焼き鳥それ自体の味は・・・まあまあとしても、焼き鳥がぬるいんである。アッツアツの鶏肉から肉汁がジュワー・・・っと口に広がるのを想像していた私は、それだけでもうがっかりした。特に期待の「ミニトマト巻き」は、トマトが冷たく、そしてお肉は焼きすぎでバリバリ・・・。ネギ間のネギも、ちゃんと火が通っていない。さらにホタテ貝柱に至ってはゴムのように固く、噛み切るのは容易ではなかった。とても楽しみにしていた私の心は、たちまち萎んで索漠とした思いにうなだれた・・・・・・

見ると・・・焼き鳥は、多少経験のありそうな韓国人のお兄さんが、一手に焼いている。しかも炭火も使っている。だがよく見ていると、うちわが全く使えていない。それどころか炭火の直火でボウボウと焼いていて、遠赤外線のなんたるかが、全く分かっているとは思われない。たかが焼き鳥、されど焼き鳥・・・である。

ここでワタシは韓国人調理人の熱意や努力を疑ったり、冷笑しようというのでは全くない。日本には、七輪にうちわででふっくらと、香ばしく秋刀魚を焼き上げる、という庶民文化がある。いくら科学技術が発達しても「秋刀魚の味」は連綿と受け継がれて来た日本の伝統的スピリット(の一部)なのだ。この延長線上にある「焼き鳥」は、「鶏肉を焼く」という実にシンプルな料理でありながら、したたかなほど奥の深い「文化」なのだ・・・ということを改めて実感したのだ。

同じように、日本人が見よう見まねで例えば「スンドゥブチゲ」などを作っても、それは悲惨な「もどき」料理で終わる可能性が高い。簡単で庶民的な料理ほど、その国の伝統的土着文化が染みとおっているからだ。

日本と韓国は、この数年サブカルチャー分野を通して一気に交流が広がったが、こうしたこと一つとってもまだまだ「うわべだけの交流」であるケースが多いのであろうなあ・・・と感じさせるひと時であった。久しぶりの熱燗を(これはまあ普通に美味かったが)名残惜しく飲み干しながらも、美味そうなレバ類を前にしてそれは注文せず、私が店を後にしたのは言うまでもない・・・・・・。
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by cookie_imu | 2007-02-05 00:20 | 各国酒・ごはん