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あるびん・いむのピリ日記

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『ムルギー』

東京は渋谷の、所謂三業地といわれる百軒町にある、創業50年を越えるという、伝説の老舗のカレーショップです。大槻ケンヂを始め、いろいろな作家の随筆にも登場するので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
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写真がややピンボケで申し訳ありませんが、その分、お店の古めかしさや怪しさは十分、感じ取っていただけるのではないかと思います。渋谷という、東京きっての若者でにぎわう繁華街。その中の、ちょっとHなお店やラ○ホが立ち並ぶ街中に、まさしく時間に取り残されたように、この店はぽつんと立っています。中に入れば、清潔に掃除こそ行き届いていますが、昭和初期にそのまま時間が逆戻りしたような錯覚にとらわれるほどレトロな雰囲気です。
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メニューは、ムルギーカリー(950円)、玉子入りムルギー(1,000円)、ハヤシカリー、それにガドガドというトマトにレモンと玉子の輪切りを散らしたサラダと、サッテと称する若鶏のローストだけ。あとは、ビールやコーヒーなどの飲み物やアイスのデザートなどがいくつかあるだけです。辛口と甘口も、50円増しで選べますが、大盛りは+300円と高くなります。
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お客さんのほとんどは、「玉子入りムルギー」を勧められ、それを注文しています。ほかのものも注文できるんですが、なんとなく、それを拒むような雰囲気があるんですよ(笑)。厨房では、湯ばーばというか(^^;)おばあちゃんにされちゃったソフィの雰囲気まんまみたいな(失礼)女性が秘密めいたお鍋をかき回しながら、それこそ魔女の秘薬を作るみたいにしてカレーを作っています。この、サンプルからだけだとよくその雰囲気が伝わりませんが、運ばれてきたムルギーカリーの姿を一目見ると、人はまずその容貌の怪異さに息を呑みます(笑)




とにかく、ご飯がですね、切り立ったヒマラヤの絶壁みたいに立っているんですよ。そこに、ほとんど真っ黒といっていいほどの濃いカレー・ルーが押し寄せている。その中に散らされている、輪切りのボイルド・エッグ。お皿のふちにはさらに怪しげな黒味噌のようなもの(チャツネ?)が一なすりされていて…と、まずは三分二十五秒ほど(をひ)そのお姿をじっくり眺めちゃうほど、そのお皿に入ったカレーにはインパクトがある。そして、おもむろにその絶壁を崩し、ルーと混ぜてから一口パクリ!

すると意外や意外、オーソドックスながらどこか新鮮で、奥深いスパイスと、複合素材から深く取ったフォン(ブイヨン)のコクが、口の中一杯に広がるんですねー。辛さはそれほどでもないんですが、食べているうちにじわりと来ます。さらに、謎の黒味噌のようなペーストを絡めて食べると、一層その複雑な味わいが増殖され、口中がパラダイス状態となります。そして、ほてった口に優しい玉子の輪切りの味…計算されつくしたカレーの世界を、そこでは味わうことができるでしょう。

営業時間は、昔は不定だった見たいですが、今では平日の午後なら大体やっていると思います(ですが、事前にご確認を!)。「玉子入りムルギー」以外は注文したことないんですが(^^;、もしそれ以外のメニューにあるものを注文された方は、ぜひご一報の上、ご感想を頂ければ幸いです。(お店の位置・電話番号など基本情報はこちら
by cookie_imu | 2005-02-08 11:45 | 各国酒・ごはん