あるびん・いむのピリ日記

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今年最後のレビュウは『家族』

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この夏、訪韓した時ソウルクッチャン(劇場)でこの映画のプレミア試写が行われていて、その後の記者会見に偶然立ち会うことが出来ました。これは、そのときの写真です。(不許複写)もちろん、会見は全て韓国語で行われていましたのでチンプンカンプンでしたが、その時のスエの、ほんとに美しかったこと!身近でナマで見られてよかった…とつくづく幸運に感謝しました。

映画は、韓国映画のもっとも得意とする「家族愛」を些かの揺るぎもない“ガチンコ”で、まさしく力技でもってゴリゴリと押し通す映画です。ヤクザの手下になっていた娘が出所して帰ってくる。しかし、老いた父は病に侵されており、しかも切れたはずのヤクザからは、「娘に預けた金を返せ」という脅しがくる。まだ年端も行かない、幼い弟もいるのに…という韓国人得意中の得意なシチュエーションですから、非常に重苦しく、暗い映画です。心なしか画面も陰鬱で寒々しい。私もどうしても一気に見切ることが出来ず、三日に分けて休み休み見ました(笑)鑑賞後も、重苦しい気分は去りませんでした。しかし、不思議と嫌なものを見た…という不快感は残りませんでした。

スエ、というのは不思議な女優さんです。私はユン・ソクホPDが撮った「ラブレター」という、チョ・ヒョンジェが神父になるというドラマを見ているときから、気になる存在だったのですが、
とにかく自我が強く一本気だけれど、「暗いなぁ~」というのが正直な印象でした。イ・ウンジュとは違う、また暗さなんですね。ウンジュは顔つきも陰性ですが、スエは瞳も大きくて、一見明るめの顔なんです。でも、最近のドラマ「回転木馬」でも、『幽霊が住む』の幽霊役のお姉さん、チャン・ソヒと、涙ばかり流しているという、暗い暗いドラマに出ています。記者会見でも、写真にあるように常に俯いてました。こうなるともう、ネクラだとしか思いようがない(爆)

その「ネクラパワー」が、この重苦しい映画では炸裂するんですね。「陰性爆弾」というようなパワーが、もう遺憾なく発揮されている。これこそ、この映画の最大の魅力なんだなぁ…とつくづく悟った次第でした。もちろん、お父さん役のチュ・ヒョン(『チング』のジュンソクのお父さん)の、これまた重厚な演技がこの雰囲気の醸成に一役買っていることも、また言を俟ちません。これに、幼い弟への慈しみの愛が重なると…もう泣くなと言う方が、韓国人にとって無理でしょう。
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しかし、ここまで重苦しい「家族愛」には、ちょっと日本人には素直な共感は無理でしょう…というのが正直な気持ちです。その辺は『ブラザー・フッド』の兄弟愛と同じかもしれません(^^;
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by cookie_imu | 2004-12-31 19:32 | 韓国映画・新しめ

『スーパースター・カムサヨン』

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これは、韓国野球の黎明期に、超弱小球団三美スーパースターズに在籍し、通算成績1勝15負1セーブという成績で終わった、実在のプロ野球選手、カム・サヨン(甘四用)の半生を描いたものです。主演はイ・ボムス。ボムスのマドンナ役には、『オールド・ボーイ』でユ・ジテの姉、スア役を演じ、清楚ながらも妖艶で大胆な演技を披露した、話題の新人、ユン・ジソン。

前半三十分くらいは、これといった見所もなく、なんとなく筋運びも雑で、なんだかなぁ…というのが正直な感想でした。その部分は、ボムス演じるカム・サヨンが、なぜ三美スーパースターズに入団することになったか…という、まあ事情説明みたいなところですから、あまり面白くなくて当然なのでしょう。ボムスも、これといって演技らしい演技はしていません。

ところが、その前半30分を過ぎるあたりから俄然、物語は引き締まってきます。これも当たり前といえば当たり前なのですが、入団テストを辛うじて通過したボムスの、敗戦処理専門投手としての活躍?が始まるからです。カムサヨンが登板すると観客は帰る。そして、テレビ中継も露骨に終わり。そうした中、親兄弟からも次第に疎んじられ始める…という、彼の苦難の野球人生が綴られ始めます。このエピソード近辺から、実にリアルに、そして情感豊かに物語りは展開し始めるわけです。

ところが、敗戦処理ばかりで半ばヤケ気味になっていた彼にも、偶然彼のボールを拾ったことから知り合った、球場職員(確か…)のパク・ウナというかわいい彼女が出来ます。このウナ
役のユン・ジソンが、控えめながら、実に純朴で心優しい彼女を演じているんですね。私は、『オールド・ボーイ』を見たときから「おおっ!」と注目していたんですが、この『カムサヨン』を見るに及んで、すっかり彼女のファンになっちゃいました(気が多くてスミマセン^^;)

そして、彼にも一世一代のチャンスが訪れる。ライバル(とカムサヨンが勝手に思っている)強豪チーム、OBベアーズのスター選手、パク・チョルスンの20勝をかけた試合の先発機会がまわってくるのです。誰もそんな記念の試合で負けたくはない。だから敗戦処理専門の彼にチャンスがめぐってきた…というわけですね。ここが、映画でも最大のクライマックスとなっています。家族愛、彼女との暖かな感情、というお約束のパターンも、ここではとても有機的に絡んできます。

結果は…これは、映画を見てのお楽しみですねぇ。でも、私はジーン、と感動しました。これは私が野球好き、ということもあるのですが(笑)、いままで勝利至上主義、勝ち戦を至上として、常に上ばかり向いてきた韓国人が、日の当たらない弱小球団の、そして下積みでさして面白みもない、しかしそこには一生懸命努力して生きる、当たり前の人間の、下積み人生が着実に描かれている…そういうところにまで目を向けるようになったのか…という感慨でした。
いままで、不幸な人生の女性を描く作品は数々ありましたが、男性のこういった負の人生を肯定的に描く映画、というのは、韓国映画にはちょっと見当たらなかったんじゃないかと思います。そういう意味では画期的な作品なのかな…と思いました。ただし、『メジャー・リーグ』みたいなアメリカ的カタルシスは求めないで下さい(笑)。目指すところが全然、違いますので。

イ・ボムスの演技も、中盤の入団前後から、ぐっと深みを増してきます。従来のユーモア溢れる演技に加えて、庶民の哀歓や小市民の感情をペーソスを以って、リリカルに描き出す演技に目覚めたように思います。この辺の演技深化に関しては、『オーマイDJ』あたりの、小心者の切なさを実に生々しく描き出す辺りから感じてはいたのですが、本作品でそれが決定的になった…と思いました。ただ、監督の求めているものはやはりコミカルな演技が中心であるような気もして、それが前半の雑駁な印象や、若干のちぐはぐな違和感になっているような気もしましたので、その辺は英語字幕DVDが来たら、またゆっくり確認しようと思っています。
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by cookie_imu | 2004-12-31 18:09 | 韓国映画・新しめ

今年の韓国映画いむ的大賞!

というわけで、デジョン賞でも、チョンニョン賞でもないけれど、今年公開されたた韓国映画(映画祭含む)の各賞をここで発表したいと思います。まあ、個人的好みによるシャレですから、ご叱責はご容赦ください。あ、コメントは何でもオーケーです(^^)

作品賞『オールドボーイ』
今年度カンヌ・グランプリの実力を俟つまでもなく、いろいろな意味で優れた作品だと思います。個人的には、タランティーノほど気に入っているわけではありませんが(^^;

主演男優賞・チェ・ミンシク 対象作品『ハッピー・エンド』『オールド・ボーイ』『酔画仙』『花咲く春になれば』
作品ごとに、充実した演技を見せてくれています。ですが、私的には情けない中年を演じたときが最も優れていると思います(^^)

主演女優賞・イム・スジョン 対象作品『箪笥』
新人女優賞・ムン・グニョン(♪) 対象作品『箪笥』『永遠の片思い』
『箪笥』の項目でも縷々述べましたので省略しますが、二人の繊細可憐極まりない演技は十分、受賞に値します。グニョンちゃんはもう一作の演技も初々しく、まさに新人賞!

新人男優賞・カン・ドンウォン 対象作品『狼たちの誘惑』
韓国で見て、その清新な演技力にはっとしました。そしたらもう日本の映画祭で…ちょっと先物買いかな(笑)。でも、私的には『彼女を信じないで下さい』とか、『威風堂々、彼女』の評価も入っているんですよ~(^^)

それでは、監督賞発表!キム・ギドク!!対象は『悪い男』『春夏秋冬…そして春』
これはもう、言うまでもないでしょう。でも、パク・チャヌクといい勝負でした。

助演男優賞…ピョン・ヒボン。対象作品『オー!マイDJ』『先生、キム・ボンドゥ』
長年の功労に対してもお贈りしたいですね、彼には。

助演女優賞…キム・ヨジン。対象作品『四人の食卓』『浮気な家族』『酔画仙』
ご存知、チャングムの師匠ですね。そっちの方でもあげたかったくらい。

美術賞…『春夏秋冬…そして春』撮影監督ペク・ドンヒョン。

音楽賞…『春の日の熊は好きですか?』ほんとは、ドゥナになんかあげたかったの…(^^;

そして、栄光のラジー賞は!?ジャジャーン!!
『태극기 휘날리며』うーむ、これでいろいろ物議をかもしそうだ・・・
『ロス◎モ』はどうよ?なんていう話もありますが、私はけっこう面白く見たんで…
まあ、完全に個人的な趣味のこと、っていうことで、どなた様も御免なすって下され。
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by cookie_imu | 2004-12-30 18:05 | 韓国映画・新しめ

シム・ウナ(沈銀河)の謎

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韓国映画の愛好者なら、誰一人として知らない人はいない(はずの)伝説的名女優です。
惜しくも2000年を以って引退宣言をしてしまいましたが、いまだに彼女のカムバックを願う声は、途絶えることはありません。私は彼女の大ファンではありませんが、そのナチュラルな演技と、神秘的な美しさ、そして哀しみをたたえた瞳の色は高く評価しています。

私がシム・ウナの存在を知ったのは、私が今でも最も愛し、現在においても韓国映画の中のNo.1と信じてやまない『八月のクリスマス』ですが、それ以後、『美術館の隣の動物園』『カル』『インタビュー』と見てきて、どの作品にもあふれるキュートな可愛らしさ、そして、体全体から溢れ出るような透徹したリリカルな雰囲気・・・といったものに魅了され続けてきました。まあ、途中『イ・ジュスの乱』のようなよく分らない作品もありますが(笑)、彼女の美しさが損なわれたわけではなし、時代物のお付き合い、ご愛嬌のようなものだと思っていました。なんていうか、彼女をちょっと、神格化していたんですね。(^^;それほど、『八月のクリスマス』でのシム・ウナの清楚で純粋なタリムは、魅力的だったわけです。
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で、『八クリ』以前の彼女の映画デビュー作である『アッジ・アツパ(邦題・サランヘヨ~あなたに会いたくて)』や、チョン・ウソンと共演した『ボーン・トゥ・キル』での演技が「全くの失敗」であると評されているのを聞くに及んで、私の中での「シム・ウナ像」を壊したくなかったためもあり、VCDなどで比較的た易く手に入ったのですが、ほんの最近まで見ることは意図的に避けていました。

ところが・・・ここに来てレンタルビデオで容易に『アッジ・アッパ』、そして雑誌付録のDVDで『ボーン・トゥ・キル』を見られてしまったことで、私の中のシム・ウナに対する謎はさらに深まりました。つまり、それ以前、デビュー当時のドラマに出ていた彼女は文字通り「清楚なお嬢さん」としてのイメージを持っていたにもかかわらず、あのようなアプレ・ゲール(死語^^;)、要するの、はすっ葉な尻軽娘を演じることに何のメリットを見出したのだろう?というものでした。言を要するまでもなく、その演技は箸にも棒にもかからないほど、悲惨なものでした。

その後、彼女はこれら二作の興行的失敗もあり、三年ほど映画から遠ざかっていました。
その間、彼女はいくつかのドラマに出ているのですが、それらを私は見ていません。’97に
ビョンホンと共演したSBSの「美しい彼女」では安定した演技をしていたそうなんですが(韓国映画俳優事典より)、残念ながら、私はそれも未見です。ただ、ホ・ジノ監督がそのドラマを見て、彼女を『八クリ』に抜擢したのか…については、はなはだ疑問です。なぜなら、映画監督はやはり映画での俳優の演技を見て、評価を決めるものだと思うからです。事実、『八クリ』の翌年に出演した「青春の罠」というドラマを私は彼女の出演ドラマとしては唯一見ることが出来たのですが、その厚化粧と共に、実に凡庸としかいえない演技でした。

それが・・・次作の『美術館の隣の…』になると、『アッジ・アッパ』などとやや異なりながらも明るく元気な女の子を演じて、こんどは見事にそのキュートさで私をノックアウトしてくれたのです。そして、その次の『カル』で見せた透明性のある哀愁感、さらに『インタビュー』の舞踏における、神秘的とも言えるような透徹した美しさにおいて、もう彼女の足元に及ぶ女優はいないのではないか・・・とさえ、思わせるようなものがあったのです。

なにが、彼女の才能を開花させたのでしょうか。やはり、ホ・ジノ監督の慧眼でしようか。いやいや、世阿弥の言うような「時分の花」とでもいうべき、ちょうど機が熟した結果なのでしょうか。そしてなぜ、その美しさの絶頂で、彼女は突如引退してしまったのでしょうか。全ては謎として私の中に残っています。

しかし・・・今でもDVDで繰り返し彼女に接するたび、その美貌と自然体の演技には、溜息が出てしまいます。グレタ・ガルボがそうであったごとく、また原節子のように、謎は謎として、永遠に残しておいた方がいいのかもしれません・・・。カムバックは願いながらも、平凡な演技だけはして欲しくない。それが今の正直な気持ちです。
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by cookie_imu | 2004-12-30 00:28 | My御贔屓韓国俳優

『ボーン・トゥ・キル』

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これは1996年公開映画なんで、くっきー・いむ的勝手基準から言えば「新しめ」のカテゴリーに当然入れるべき作品なんですが…迷いましたねぇ。迷いに迷って、「古め」の方に入れました(^^;)

理由は、なんといっても、映像の撮り方が古臭いのです。それは見ていただければすぐ分ります。出演しているのは、今をときめくチョン・ウソン。お相手女優は、今なおカリスマとしてその輝きを寸分も失わない、伝説の女優(長いな^^;)シム・ウナです。しかーし、このシム・ウナの化粧・衣裳、それに演技…とにかく、全体から受ける印象が古すぎる。ソウルの(▼▼メ)組織を描く手法が古すぎる。逆説的なギャグとして、『キル・ビル』みたいに日本の古風なヤクザ仁義を描く手法ならアリですが、いまどきマジにこんなのを見せられちゃうと、赤面するばかりです。当時の韓国ノワール、と解説をしたとしても、その古臭さはもう腐臭が漂っています。女を愛した男・・・女ゆえに組織を裏切り、そして自分は死を選ぶ。親分への義理、孤独と愛…使い古された手法です。逆に、一年しか違わないのに、翌年にハン・ソッキュを起用して、似たようなテーマながら、全く斬新な映像と、疎外された人間の家族愛を描き出した、イ・チャンドンの『グリーン・フィッシュ』が作られたことは、まさしく奇跡ともいうべき出来事だと思いました。
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にもかかわらず、なぜこの作品のレビュウを書くのか…というと、1994年に『クミホ-千年狐』でデビューしたチョン・ウソンの演技が、実に瑞々しいんですねぇ~!クミホでは、ただ初々しいだけだったんですが、この作品では、孤児であり、キラーとして育てられた自らの境遇を純粋に演じている姿がたまらなくイイ。もうなんていうか、ちょっとその拗ねた表情には、韓国のジェームス・ディーン的雰囲気すら漂っていると思います。最後が下手なお涙頂戴ではなく、きっぱりしたアクションで終わっているのもいい。

これって、竹書房から出ている「韓国ムービースターLive1」っていうムックの、付録として付いてきたんです!オドロキですよね、映画一本、しかもけっこうレアなのが字幕つきで付いてきて、それで値段は雑誌込みで¥1,400・・・。第二号も、この路線で期待しちゃいますよ(笑)
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by cookie_imu | 2004-12-29 19:26 | 韓国映画・古め

『朱紅文字 주홍글씨(スカーレット・レター)』

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とうとう見ました、念願のハンッソッキュの最新作、『朱紅文字』!ずいぶん待ちました・・・
まずは、第一弾として発表されたティーザー・ポスターを掲げます。これの発表当時は、
イ・ビョンホン主演の『誰にでも秘密がある』との類似性を喧伝されましたが、映画の内容は
全く異なります。あちらがラブコメなら、『朱紅文字』はスリラー・メロとでも言うべき作品です。

ハン・ソッキュ以外の三人の主演女優は、ポスターを見れば一目瞭然なんですが(笑)、
ソン・ヒョナ、イ・ウンジュ、オム・ジウォンの三人です。オム・ジウォン演ずるハン・ソッキュ
の従順な妻にして、美しきチェロ奏者に、情熱的で奔放なジャズシンガーであるイ・ウンジュ
が絡み(文字通り体を張って^^;)、そこに起こった殺人事件を解決するため奔走する、
ハン・ソッキュ演じる刑事キフンの陰に、殺害された夫の有力容疑者である、その妻役のオム・ジウォンが見え隠れしている・・・という構成になって、物語はオム・ジウォンの妊娠を機に、別れ話を持ち出されたイ・ウンジュの激しい嫉妬と反発を軸に展開していくのですが…

こういったプロット自体はいわゆる三角関係として単純なんですけど、残念ながら、そこに
この容疑者である妻がどう、絡んで話が展開するのか、よく分らないんです。その上、
題名からもお分かりの通り、有名なホーソンの原作『緋文字』が、「姦通」というテーマ以外でどのようにベースにされているのか判然としない。とりあえず、エラリイ・クイーンの『緋文字』
は関係なさそうですが(^^;かなり複雑な感情のやり取りが四者の間に交わされるのですが、
さすがに字幕が無いともう、お手上げです。チンブンカンプンというしかありません(笑)。
というわけで、映画の感想は注文しているDVDが到着して、せめて英語字幕で見てから、
改めてまた述べさせていただきたいと思います。
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さて、肝心のハン・ソッキュの演技なんですが・・・うーん、なんていうのか、一見『No.3』
のふてぶてしいチンピラ・テジュと、『カル』のチョ刑事の融合…といった風情で、特に新味は
感じませんでした。ですが、クライマックス場面の「トランク内」に至って、ここでなにかを
表現したいのだ…という、かなり強烈なモチベーションを感じ取ることは出来たのです。
ですから、少なくとも、この場面がどう解釈されるかで、ハン・ソッキュが新たな内面描写の
新境地を開いたかどうかが分るのですが…それに関しても、ここでは保留としておきましょう。

三人の女優達は、それなりに皆よく演じていると思います。そのなかでも特筆すべきは、
やはりイ・ウンジュ。彼女のマイナスパワー?というか、情熱的なのに陰性の魅力というのは
大したもので、それがもう目一杯、ギンギンに発揮されております。元来、ハン・ソッキュは
相手女優のよい面を引き出して開花させるのが上手い俳優なんですが(例えばシム・ウナ)、
ここではイ・ウンジュの強烈な妖婦性にまさしく振り回されている…という感じです。まさしく、
彼女こそは現在の韓国ヴァンプ女優第一人者というべきでしょう。本当にオーラがあります。

監督は『インタビュー』で、シム・ウナの美しさを極限まで引き出したビョン・ヒョク。しかし、『インタビュー』をご覧になった方ならお分かりかと思いますが、今作も相当、哲学的・思弁的で
難解なスタンスを取っています。従って韓国でも評価は別れ、“二週スパイ”(苦笑)ほどではありませんが、大ヒット・ロングランには至りませんでした。しかし、ハン・ソッキュとイ・ウンジュの二人は、本年度青龍賞主演男優・女優賞候補にダブルノミネートされ、受賞こそは逃しましたが、一定の芸術性は客観的にも評価され、ハン・ソッキュもようやく本来の面目を施したのではないでしょうか。商業性は低いと思いますが、映画祭でもいいので、日本公開を是非して欲しい作品です。
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by cookie_imu | 2004-12-29 18:28 | 韓国映画・新しめ

新横浜ラーメン博物館

設立当初からいきたくてたまらなかったんだけど、新横浜なんてちょっと行きにくいところにあるから行かれなかったラー麺博物館(略してラー博)に、開館十周年目にして遂に行ったむじょー!ばんざ~い \(^o^)/!!私って、HNからもお分かりのように、スンゴイ麺好きなんですよ。トコロ天とか白滝とか、にょろりと長いものなら何でも好きー♪(笑)という訳で、同じく麺好きな倅と共に、今日遂に憧れの聖地を巡礼したんでした(^^)
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食べた食べた、三杯も食べた!っていうとスゴく聞こえるけど、実際には食べ歩き用のミニ・ラーメンだったから、全体で一杯半、っていうところかな。とりあえず、有名処の「春木屋」、
熊本ラーメンの「こむらさき」、和歌山ラーメ不朽の名店といわれる「井出商店」の三軒に行きました。どこも、さすが・・・と唸る美味さでしたが、個人的には「春木屋」かな。やっぱり、ホッとする味なんですよね。でも、インパクトは「井出商店」が一番でした。あの、なんとも形容しがたいスープー・・・病みつきになりそうです。

とにかく、昭和三十年代を模した内装も雰囲気があって抜群!明日またもう一度・・・とは言いませんが、また行って全店制覇をしたいと思います、オー!
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by cookie_imu | 2004-12-28 00:04 | 各国酒・ごはん

『九歳の人生(아홉살 인생)』

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この映画は、日本でも来年夏頃の公開が決まっているもので、ご存知の方もいらっしゃると思います。今年のKCWでも上映された、純粋に九歳の少年少女だけを主人公にした佳品です。私は日本ではビデオで見て気に入り、この夏訪韓した時に特装版のDVDまで買っちゃいました(^^)。この映画には、ノベライズではない、ウィ・ギチョルという方の書いた原作本があり、邦訳もされています。私はこちらも最近買って読みました。(下はそのDVDと本です。DVDはノートバンドが、本は表紙のイラストが可愛いでしょ^^)
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実はこの原作が、韓国では100万部を超える大ヒットを記録し、ユン・イノ監督はその世界を再現したくて、映画化をされたんだそうです。でも、原作の少年少女が溌剌と動き回るテイストは残しながらも、映画はかなり大胆にオリジナル化されています。

そのどちらが良いか、と言った問題ではなく、これはまるっきり別な作品・・・と考えたほうがいいでしょう。原作は、ソウル周辺部に残されていた「山の町」、いわゆる韓国版スモーキー・マウンテンに住んでいた人々の、貧しいけれどたくましい生き様を、それこそ九歳の少年の視点から生き生きと描き出したのに対し、映画の方はポスターからもお分かりの通り、主人公の少年少女の淡い初恋(チョッサラン)ストーリーがメインになっています。

主演は『先生、キムボンドゥ』『No.3(ハン・ソッキュの息子役)』などにも出演した名優?キム・ソック。お相手の少女は、今現在韓国で公開されている『女先生、女弟子』で生意気極まる(でもカワイイ^^)少女を演じているイ・スヨン。「大長今」にも子役で出てきますね。二人とも、とても子役と思えないほどの演技派です。で、そのほかもほとんど子供達が映画を作っている。子供が主役の映画は先に述べた『キム・ボンドゥ』だけでなく、『おばあちゃんの家』『ポリウルの夏』『童僧』と多いのですが、純粋に子供だけで全体が構成されており、大人の俳優はほんのお付き合い・・・というのは本作が初めてなんではないかと思います。ただ、その中でも、キム・ソックの担任役で、厳しく冷たい(けど根は優しい)先生を、『オアシス』でもソル・ギョングのお兄さんを憎々しく演じたアン・ネサンが好演してはいます。しかし、何度も申し上げるように、この映画こそ、子供本来の闊達さがそのままスクリーンに映された、画期的な作品と言っても過言ではないでしょう。

ただ・・・『キム・ボンドゥ』にはチャ・スンウォン、『ポリウル』にはチャ・インピョといういわゆるスター(笑)が出ているのに対し、この作品には全くそういう売りはありません。前記の二作は優れた作品なのに、映画祭以外での公開が見送られています。この『九歳の人生』がそのような運命を辿らないよう、ぜひ公開されて欲しいと祈るばかりです。(個人的には岩波ホールでの公開キボゴ^^)
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by cookie_imu | 2004-12-27 23:39 | 韓国映画・新しめ

『箪笥(薔薇、紅蓮)』

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本日、発売されたばかりの『箪笥』DVD(どうしても、いまだにこの邦題は許せない…)の特典映像を見ていて、またあの夏の思い出にうっとりと浸っています。なんたって、この夏は、
この映画のために来日したイム・スジョンさんと、ああ、憧れのムン・グニョンちゃんの二人に花束を差し上げて、握手までしていただいたんですから!(それも二回も!!^^)舞台に現れた二人には、スターのオーラが輝いていて本当に素敵でした♪(ソナさん、ゴメンなさい^^;)
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これは、そのときに私が写した画像です(不許複写)。説明の必要もないと思いますが、向って左がイム・スジョン、右がムン・グニョン、中央はキャンペーンソングを歌っていたトルコの歌姫、セルタブです。

作品としては、ちょっと難解だったようで日本の観客受けはイマイチのようでしたが、わたしは『反則王』で来日したキム・ジウン監督のファンでもあり、その緻密な作品構成力と、恐ろしいまでに美しい映像象形の虜に、たちまちなってしまいました(^^)。ホラーは苦手だったんですけれども、もの凄く集中してみていました。けれども、さすがに一度だけでは話の全体像が掴めず、もう一度見ました。二回目で、やっとどういう仕掛けになっているのかは理解できたのですが、細部に仕込まれた伏線やメタファーの意味が到底理解できなくて、韓国版DVDを何度も、場面場面で止めて見ました。それでも分らなくて、原作本も漫画も買いました(苦笑)

だけど・・・こういう映画って、あれやこれや、監督の仕掛けた知的挑戦?を、夢中でああでもない、こうでもない…と考えている時が楽しいんですよね。例えば「あの場面での、スヨンのヘアピンの意味は何だったんだろう?」とか。だから、原作本(監督自らが執筆した)まで読んでしまった時は、なんだか索漠とした、というか、虚しい思いで一杯になりました。こういう映画って、ちょっと分らないでいるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。

それで、今回日本版のDVDを買ってみて思ったんですが、2ディスクになっていて、サプリメントディスクの方に、監督が削除した場面に対するコメンタリーを付けた物が、字幕付で入っている。これが凄くいい。「どう考えても展開が早急だ」とか、「前後のつながりが悪いのでは?」という場面の前後に、カットされた様々な場面が載っていたりする。で、それに対しても、例えば「このキム・ガプスの演技は、私は一番好きなんですが、あまりに説明的になりバランスを悪くするので、泣く泣くカットしました・・・」なんていう説明が付いている。
 当たり前と言えば当たり前なんですが、監督は我々観客のレベルを遥かに超えたところで、映画のことを考えに考えていたのだなぁ・・・と言うことが、改めてよく分ったのです。監督は、たとえ自分のお気に入りのカットでも、映画全体のためなら削除しちゃうんですね。なんてストイックで、辛い仕事なんでしょうか、映画監督って。

というわけでまぁ、ワタシはこの映画を、今年度日本で公開された映画の中で、一番気に入っているのですよ。そして、薔薇と紅蓮の美しい姉妹の想い出は、永久に私の胸から去ることはないでしょう・・・
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by cookie_imu | 2004-12-27 22:39 | 韓国映画・新しめ

ちゃんぽんみょん

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某掲示板では、ワタシの別ハンドルネームとして使っているのダ(^^;
ソウルの中区(チュング)、乙支路三街(ウルチロサンガ)にある、
ソウル劇場の裏手の小道を入ったところの、知る人ぞ知るちっぽけな中華
料理店で食べた、海鮮チャンポン麺。あまりの激ウマさに、それまで
使っていたHNの「ちゃじゃんみょん」から、帰国後即、改名したんでした。
あの、コクのあるだしの味と、程よい旨味の辛さ、そして魚介の潮の味・・・

まー、個人的なことでどうでもいいんだけどね。だけど、この店は
メッチャ、美味しかった。でも教えてあげない。なんで?行き方忘れたから(爆)
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by cookie_imu | 2004-12-27 00:53 | 韓国酒・ごはん