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あるびん・いむのピリ日記

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鎮魂の思いこめ

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語り・舞い・うたう、という公演に行ってきました。新大久保「高麗博物館」の文化講座です。
高麗博物館、と言ってもご存じの方は少ないかもしれませんが、なんとあの「コリアプラザ」と同じビルの7階にあるのです。
 それは第二次世界大戦後、60年たっても日本の植民地支配を忘れぬよう、日本人に責任と罪の自覚を促す展示を意欲的に行っているという、韓流まっさかりで、1階ではヨン様だ、ビョンホンだ・・・と相変わらず浮かれまくっているコリアタウンのど真ん中にある、一種の“へそ”のような場所でした。
 今宵の催し物も、お目当ては我がピリの師匠、イヨンフン先生が御出演の、チョ・スオク先生のサルプリ(韓国舞踊)だったんですが、第1部として行われた愛田巡也さん朗読・岡田京子さん演奏の「朝鮮人軍夫の沖縄日記」も、実に胸にぐっと突き刺さる、重い命題の公演で聞き応えがありました。
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やはり在日や沖縄の人、そして韓国人にとっても日本の植民地支配の傷跡は、いつまでも癒されるものではないのだな、そしていくら韓流ブームで日韓の中が近しくなってきたとは言っても、かつて被支配側としてあった者はそれを“風化”させてはいけないのだな・・・ということを強く思いました。

そしてその後のサルプリには、民族としての鎮魂の思いが強くこめられていて強い感銘を受けました。ことにイヨンフン先生が歌いながら葬送の儀式を模して行進した「サンジョアリラン」の民謡と、揺れ動く弓の間隙から蜿蜒たる恨の情念を紡ぎ出していたパク・クンジョン先生のアジェン!これはもう肺腑をえぐるような響きで、いつもにもまして絶品でした。次回は音楽はナシですが、ユンドンジュの詩の朗読なんで、これも参加してみようと思います。
by cookie_imu | 2010-01-24 15:19 | 韓国文化全般