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あるびん・いむのピリ日記

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『清風明月』

初めてワイヤーやCGなどを極力使わない、韓国国内で撮影された本格的武術映画。ラストの戦闘シーンだけで10億ウォンの巨費と、二年の歳月を投入したという大スペクタクル映画です。主演は、男を演じさせたら右に出るものがいないカリスマ、チェ・ミンス。熱い友情を誓う相方は、一名『悪い男』、チョ・ジェヒョン。監督は『ホリデー・イン・ソウル』『北京飯店』などのキム・イソク6作目。
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壬申倭乱以降、政治が不安定であった朝鮮王朝で、暴君といわれた光海君を倒して反乱を起こした仁祖は、ついに圧倒的な武力を持って王となりました。その時代に、「清風明月」と呼ばれる武術鍛錬所が設けられており、若い武士たちは日々、身命を故国に捧げるため、武術と友情を尊敬すべき師であるキム・イル将軍のもとで磨いていました。その中でも、飛びぬけて武術に秀でていた二人の若き武士、ジファン(チェ・ミンス)とギュヨプ(チョ・ジェヒヨン)が、熱い友情を育んでいたのです。そして二人は、将軍の美しい娘で武術の達人でもあるション(キム・ボギョン)に、密かに心を寄せていたのです。
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しかし、やがて仁祖は叛乱を起こし、ミン将軍は光海君に忠誠を誓って叛乱に加わりませんでした。そこで、部下を人質に取られた警備隊長のギュヨプは、泣く泣く将軍を斬って仁祖側につき、光海君側だった親友のジファンと戦うことになるのです。宮廷になだれ込む反乱軍。激闘の末、ジファンはギュヨプに倒されるのですが、ションの懸命な介護で一命を取り留めます。それから五年、いよいよ仁祖は自分の地位を確かなものにするため、大規模な先祖礼拝の儀を執り行おうとします。しかし、その直前、彼の臣下の大官たちは、謎の刺客に次々と命を奪われていくのでした・・・
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二年の歳月と巨費をかけた割には、韓国では興業的に不発だったのですが、私は最近見た時代劇、『千年湖』よりは好感を持ちました。全体として、大スペクタクル戦争時代劇なんですが、しっかりおカネかけて、デイティールまできちんと作りこみしてある…っていうのが「男の友情」を盛り上げているんだと思います。あれがダサくてちんけなセットだったりしたら、もう一発で興ざめなんだと思いました。清風明月の銘が入れてある剣だって、リアルないい出来だったし(少なくとも、グリーン・ディスティニーに勝るとも劣らないと思った)、そういう小道具にも本物感が漂ってたし。なにより、監督も言ってますが、最後の船橋の場面はセットとはいえ、ものすごい物量のリッチさを感じさせて圧巻でした。
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話自体はかなりベタなところもあるし、ちょっと潜水とか『SSU』も彷彿とさせたりして(^^;
結局、花郎精神盛り上げの、軍隊友情物語なんだなぁ。でも、そこに徹したのがかえって良かったですよ。時代に翻弄される青春群像って言うか、そういったあたりもよく描かれていて。私は『アウトライブ』や『武士』より買うなぁ。←ちょっと誉めすぎ?
 ただひとつ残念なのは、せっかくキム・ボギョンを将軍の娘として登場させたのに、チェ・ミンスとのロマンスが、中途半端なただの添え物になってしまったこと。ボギョンは武術もがんばっていたのに。最後の最後でチェ・ミンスあんな扱いされちゃあ、死んでも死に切れないよなぁ。男の友情があくまで第一義、女性との愛は二の次の、熱い熱いチング映画でした(笑)
by cookie_imu | 2005-04-03 16:34 | 韓国映画・新しめ