先の食堂車エントリーでも書きましたように、光復節の日、慶尚南道密陽(ミリャン)市まで、ムグンファ号に乗って行ってまいりました。いやー、暑かった・・・
なぜミリャンに行ったかというと、まず第一に抜群に近いからです。APTから市内バスに乗って駅まで20分。駅からミリャンまでが先述しましたように約30分。時刻表を見ていけば、バスの待ち時間を入れても1時間ほどの小旅行です。それでも、ムグンファに乗って食堂車で一杯やって・・・立派に旅気分を味わえるのですから!(っていうか、それだけ私の住んでるところが田舎っていう訳ね・・・^^)
理由はそれだけでなく(これはヒッキーさんに教えて頂いたのですが)、かのチョン・ウソン主演の名作『トンケの蒼い空』のロケ地になったところでもあるからです。その上、今度は久々の名匠イ・チャンドン監督の新作メロ、主演はドヨン様とガンちゃんことソン・ガンホ!が織りなす、その名もずばり『ミリャン』という映画のロケ地になる・・・と聞いて、俄然興味がわいてきました。
かてて加えて、先日見たホラー映画『阿娘(アラン)』の、悲しい伝説の発祥地になったところでもあるというではありませんか!こうなったらもう、行かない手はありません。
駅前は広々として綺麗に整備されていました。さすがKTXも停まる駅です。小ぎれいな観光案内所があったので、そこで日本語版の地図を貰って、案内アガシに教えてもらった通りに、市内バスでいざ、まずは韓国三大展望楼の一つといわれる「嶺南楼(ヨンナムル)」へ。
初めて乗る市内バスなのでどこでどう降りたらいいかも分からず、地図をためすすがめつ眺めていたところ、親切なおじさんが「ミリャン橋を渡るときに、バスの前に見えるよ」と。そしてその通り・・・おお、川岸の絶壁の上に、それはまるで一幅の絵のようにして現れたではありませんか!さすが韓国三大名楼に選ばれるだけのことはある見事な景観、私はもうそれだけですっかり感動してしまいました(^^)
川を渡りきった橋のたもとでバスは止まりました。さて・・・そこから崖の上へ上っていくのですが・・・飛び切り暑い上に険しい階段!・・・なんですが、そこは車椅子用のジグザグ・スロープが設置されていたんですねー(珍しい!)。おかげで何とか息も切らさず、登りきることが出来ました。
楼は李朝末期再建の重要文化財にもかかわらず誰でも登ることができ、広々とした楼内は市民の憩いの場となっていて、談笑しているお年寄りのグループや、赤ちゃんと昼寝している家族連れなども結構いました。そのいにしえは国守や官吏、要するにヤンバンたちの占有物になっていたのでしょうから、しみじみ、ありがたい時代になったものだと思いました。
登楼してまもなく、急に空がかき曇って、少し強めのソナギが降ってきました。そこで私も市民の皆さんと同じように楼内に腰を下ろしてしばし雄大な景色を鑑賞しました。手前に見えるのが、『トンケ』にも登場したミリャン橋です。川はミリャン川。水量の豊かな、美しい川でした。(この項続く)