あるびん・いむのピリ日記

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『間で(サイエソ)』(小旅行記付き)

今年の全州映画祭で上映され、好評を博した(残念ながら日程が合わず見損なっていた)ムーダン(韓国巫女)・ドキュメンタリー映画が、期間場所限定で(まただ!)上映されたため、それを見にブサンまで行ってきた。
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ムーダンとは、日本の恐山のイタコや、沖縄のノロ(ユタ)のような、民間にいるシャーマン(呪術師)のこと。正月におみくじをくれる神社のアルバイト巫女さんだって、「神託を取り次ぐ」という広義の意味ではシャーマンかもしれないが、韓国のムーダン(巫堂)とは、生活に関る密度が違う。こちらでは地方の村々に一人ムーダンがおり、出産無事祈願や厄除け等といった行事に呼ばれ、「クッ」という儀式を行っている。実際に見た事はないが、TVドラマなどにはその場面がしばしば登場し、独特の衣装を着けてチャング、ケンガリ、ジンなどに合わせて激しく舞い踊っている姿を見ることも多い。映画にも昔から「ムーダンもの」というジャンルがあるくらいで、最近では大作『太白山脈』にムーダンとして登場したオ・ジョンヘが印象深い。
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韓国では、かくも生活に深く浸透しているにもかかわらず、あまり尊敬されているとは言いがたい。いや、逆に昨今は非科学的な存在として、表向きには敬遠されている。しかし、実際には上記のような家庭内の問題の解決や、招魂・口寄せ・降霊などに広く登場している。圧倒的に女性が多く、南部では血縁伝承、中部以北では女弟子への霊感伝承が主流であると聞く。

前説明が長くなったが、この映画はそのようなムーダンの、師匠から弟子への霊感伝承過程をつぶさに追った、2時間を越える迫真のドキュメンタリー映画である。監督は新鋭のイ・ヘギョン。なんと調べたら、『ドント・ルック・バック』の撮影監督も務めていたのでビックリした。



韓国巫女のムーダンというと、画像にあるような派手な衣装を着て、儒教信仰の「礼」を中心とした儀式に、道教仏教、果ては伝承不明な民間伝承を加えて激しく呪文を唱えながら舞い踊るもの・・・と思っていたが、(もちろんそれもするのだが)実態はもっと凄まじかった。トランス状態になったムーダンの信じがたい行動や憑依状態のものすごさといったらもう・・・
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ネタばれになるが(って、どのくらいの人が見られるのか不明だが)、要するにトランス状態になって自傷に及ぶのである。舌をナイフで切る。刀を咥える。足を刃物で切る。刃渡りをする。盟神探湯(くかたち)類似行為をする。枚挙に暇が無い。いやはや、冒頭の浜辺で師匠が弟子に霊感伝授する場面から映画が終わるまで、ほぼそんなショッキングな場面の連続である。その間に、たくさんの人々が依頼にやってくる。亡くなった家族に会わせて欲しい、病気平癒、交通事故で無残に死んだ家族の霊を慰めたい、等など・・・。最初は懐疑的だった女弟子も、神と人間の「間で」苦悩し、涙を流す師匠の姿に徐々に心を開き、自らも感応能力を開花させていく・・・そんな若いムーダンの、成長過程を追った、優れたドキュメンタリーともなっていた。言葉の問題があり、その全部が理解できたわけではないし、民俗学や宗教学に興味の無い人にはただ、グロテスクなだけの非科学的なおどろおどろしい儀式の連続で、退屈なだけの映画かもしれないが、少なくとも私には面白く、かつ十分衝撃的だった。韓国(朝鮮)の民間伝承や民俗儀式などに興味がある人には必見の映画だと思う(DVD化されるかは正直、分からないが・・・)。

話はがらりと変わって・・・

さて、今日は前もってネットでムグンファ食堂車の来る時間もバッチリ調べておき、またミリャンと違いブサンまでは1時間以上かかるため、前回は涙を呑んだ!松花堂弁当風トシラクを頂くことができました!ご覧下さい、この充実振りを・・・
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ブルコギ、ジョン(揚げ物)二種、エビフライ(笑)、パンチャン二種、イカの塩辛(チョッカル)、そしてキムチとほかほかゴハン、最後にデザートで巨峰二粒。味は大したこと無かろう・・・とさすがに期待していなかったのですが、どうしてどうして、その辺の韓食堂で出されるものよりよっぽど美味しかったです。暖めるべきものは全て暖かく、ゴハンやパンチャンが無くなるとお代わりを聞いてくれる・・・というように、サービスも上々で、大満足でした。これでW8,000は決して高くない!
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今日行った映画館は、CGV系列の、ブサン第二の街、西面(ソミョン)にあるソミョンCGV12という、ご覧のような立派な映画館でした。ところが・・・映画館はまあ、綺麗なんですが、金曜の夕方だというのになんとなく客は閑散とし、ビル全体にもシャッターを閉めたり、売り場を閉鎖したりする「荒廃感」が目立ちました。ソミョン中心部からやや外れていて立地があまりよくないのは分かりますが・・・こうなるとビル全体が「廃墟」となる恐れが(多いんですよ韓国にはこういうの・・・しかも、地下に入ってるマートは撤退間近のカルプだし^^;)。もうちょっとこう、そういうものを目立たせないでテナントを交代させるとか、何とかできないものか・・・などと考えながら映画館を後にしました。しかし、CGVでもモーニングとレイトでしたが『時間』もやっており、こういうドキュメンタリーも上演してくれる(客は私を入れて5人でした)のはありがたいことだ・・・と思いました。これでミニシアターでも出来るともっといいんですけどね。。。
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by cookie_imu | 2006-09-09 01:01 | 韓国映画・新しめ