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あるびん・いむのピリ日記

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我慢、辛抱、堪える

今日用事があって仕事の後に市内に出たら、いつも服を買っていた大好きな「Joe&Tracy」の店が、あっさり潰れてしまっていたのを見て驚いた。
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いや、もともとチェーン店の一つだし、いつまでたってもセール中で秋物を置かなかったんで「変だなあ・・・」とは思っていたのだが・・・。店内は製品こそ撤去されているものの、陳列棚は倒れているは、マネキンのトルソは転がっているはで、まるで夜逃げ同然。

本店まで潰れてはいないようなので、何もこんな撤退の仕方をしなくてもいいのに・・・と、がらんと荒廃した店内を見つめながら独りごちた。がしかし、このような閉店は、韓国では実によくあることなのである。時には、ビル一つが丸ごと廃墟の様になってしまうこともあるのだ。それも半年、ひどいときには3ヶ月も持たずに・・・。

どんな企業や店でも、客筋の読み違え、ということはある。商売の栄枯盛衰は世の習い・・・ということもあろう。しかし、本当に顧客ニーズに応えるマーケット・リサーチをちゃんとしてから出店したのか?と、いつも疑問に思う。なぜなら、専門店街でもないのに一つ店が当たると、その近くに我も我もと同工の店が出店するからだ。地縁・血縁に頼った出店だから、売ってる物にそう差のつけ様もなく、後はお決まりの安売り合戦。そして、一番体力のない店から脱落していく・・・。

Joe&Tracyの場合も、典型的なそんな例に洩れない。中級と高級の境目・・・という中途半端さが災いしたのだろう。シックなデザインや色使いで気に入っていた(案外、その辺も原因かも^^;)のに・・・と、とっても残念である。だが、表題の話になるのだが―、韓国の商売人にはもう少しこの「忍耐力」というものがあってもよさそうなものだが・・・とも、申し訳ないのだがいつも思う。何というか、腰の据わりが悪いのだ。機を見るに敏・・・といえば聞こえは良いが、悪く言えば常に逃げ腰。あんまりにも諦めが良すぎるのである。設備投資の回収、という最低ラインのことも考えられているとは到底、思えない。小売業だけではない、時に大企業の商売のありようにも同じものを見出して愕然とする。

とにかく、老舗というものがほとんど存在しないのだ。ヤンバンや文人を頂点とする儒教社会だから、商売そのものを蔑視する風潮があるのは仕方がないし、絶えざる戦乱でなかなか落ち着いて商売をする・・・という習慣が育たなかったことも理解するが、いまはもう、時代が違う。人はなぜメルセデスを求め、ライカやニコンを買い、ヴィトン、エルメスに群がるのか。「伝統の職人芸」とか「マイスター」とか言うものに与えられている価値をじっくりと考えてみる必要があるだろう。個人商店に矜持が宿らない限り、現政権のように、躍起になって大企業を圧迫し、平等を図っても、あまりはかばかしい効果は得られないと思う。

今日もまた、新規開店のマンドゥ専門店の前で、賑やかしにアガシが派手に踊っている。さて・・・、いつまでこのチェーン店も持つものやら。。。
by cookie_imu | 2006-09-26 23:53 | 韓国文化全般